年1回、私はフィリピンの山岳地帯の無医村に行く”Medical & Dental Mission”なるものに参加します。
フィリピンのルソン島(首都マニラのある島)の標高1,400mぐらいのところにバギオ市があります(高校地図帳に載っている)。
常夏の首都とは違い一年中夏の軽井沢のような気候のところです。ここに本拠のあるNGOのコルディレラ・グリーン・ネットワーク(CGN)の山岳民族の人たちと仲良くなりました。
2005年に愛知県で行われたEXPO'05 愛・地球博に熊川は歯医者をやめてボランティア参加していました。そこでOGNの人たちと仲良くなりました。万博後、彼らのところに3ヶ月間”いそうろう”をし、環境教育活動や緑化活動を手伝っていました。
番外として第2次大戦中の日本軍の遺骨収集のための調査に同行して、戦後初めて日本人が入る山奥の村に行ったりもしました。
バギオ市の隣に苺栽培で有名なラ・トリニダード市があります。同市にある総合病院、ベンゲット・ゼネラル・ホスピタル(日本のODAによる建築)が在ります。小児科の医長、Drパズ・カンダスと知り合うことができました。彼らは年3回、乾季に(日本の冬~春)メディカル・アンド・デンタル・ミッションを行います。足掛け10数年になるとか、それに参加するようになりました。
この活動を支援している日本のNGOが神戸にありますが、おばさん姉さんたちの団体で実際現地(無医村)に入る日本人は私ぐらいです。
実働部隊は、およそ40人のフィリピン人の医師・歯科医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・市民・学生+外国人から成りたっています。海外で働いているのに休暇をこのミッションにあわせて帰郷する人もいます。
早朝、暗いうちに集合し、ジープやトラックに分乗して道の果てまで行き、さらに徒歩で山村に行きます。トタン張りの学校や協会が臨時の診療所となります。宿泊もそのようなところです。電気のない村です。テントのときもあります。翌日は次の村に徒歩やジープで移動します。
彼らも行き先はそれなりに考えており、美しい湖や山が近くにある無医村に、あるいはそのような所を途中通過するようにルートをつくります。フィリピン人でもめったに行けないようなところにゆけるエコツアーつきなのです。
すべての人がボランティア参加なのですが、医療隊参加希望者はいつも定員以上(手配できる乗り物や宿泊先に限度がある)いるとのことです。
隊には医療関係者でなくてもできる役割はいろいろあります。援助物資(古着、文房具など)の分配もあります。歯医者のすることは歯を抜くことです。それ以外の治療(充填、補綴など)には対応できません。フィリピン医の指導のもと、日本で私が1年間に抜く歯の本数を一日で抜くような感じです。数年に一度、しかも半~1日では抜歯以外対応できません。
この移動診療所を訪れるために山道を8時間以上歩いて別の山村からも患者さんがやってきます。
フィリピンは沖縄の隣です。ごく近いところなのに医療状況は大きく違います。日本では赤ひげにはなれませんが、異国では赤ひげ気分を味わっています。
今年(2010)のミッションについて問い合わせたところ2、3、4月に各一回行うそうです。私は4月に参加できたらと思っています。
このようなことに興味がある方はご一緒しませんか。(現地集合場所までの往復の交通費は自己負担)
2014-09-30 11:01:53
院長ブログ